気持ちを書くブログ

写真撮影、コンピュータが好きです。あと本とゲーム。落語も好き。おしゃべりも好き。

眠りに"落ちる"瞬間

はじめに

あまり多くの人が体験することではないと思っているのだが、眠りに落ちる瞬間というのを体験したことがあるだろうか。そもそも人というものは、ベッドに入り、眠ろうと思ってどれぐらいの時間を要するだろうか。測ってみたことはないが、普通は10分から20分ぐらいのようだ。もちろんベッドに入ってからスマホをいじっている時間はカウントせずにの話である。人はこの時間をどのように感じているのだろうか。僕は今日1日あったことを思い返したり、さっきまで読んでいた本の内容を回想してみたり、明日の予定についてぼんやり考えていると気づいたら眠りに落ちている。

眠りに落ちる瞬間

しかし、ごくたまに眠りに落ちる瞬間を意識することがある。これは希に起きる現象であって、普段は平凡に眠ることができる。この現象が初めて起こったのは確か小学校3年か4年かのときである。いつも通り授業を受けていた僕だったが、具合が悪くなったか昨晩にゲームをやりすぎたかでともかく眠りたくなり、保健室へと行った。本当に具合が悪かったような気もするし、仮病だったような気もする。保健室には他の生徒はおらず、保健の先生だけだった。僕は事情を説明してベッドに向かった。カーテンを閉めて、ある程度のプライベードをとって僕は眠りについた。いや、正確には眠りにつこうとした。そして、うとうととしていると、突然、強烈に意識が押しつぶされるような感覚がした。それは意識から無意識への移行を感じさせた。まるで、脳みそが急に押しつぶされるかのように意識が消えていくのだ。コンピューターを強制終了させるとき、次々とソフトウェアが動きを止めて消えていくように、僕の思考が断片的に忽然と消え始めた。僕は恐怖を感じた。このまま、一生、目覚めないんじゃないかと思った。怖くなった僕はその流れを止めることにした。身体中に起きろと命令した。僕は目覚めた。いや、意識を取り戻したという方が正しいかもしれない。それは明らかに悪い夢とは違っていた。そしてその場の保健室という場所が病院を意識させた。本当に何かの重い病気で死んでしまうんじゃないかと思った。しかし、それはただの夢か何かだと思い込み、僕はふたたび眠ろうとした。しかし、なんどやっても普段の眠りではなく、睡眠と現実の境界を見つけてしまった。僕は怖くなり何度も起きた。または、何度も寝るのに失敗した。そんなことをしばらく繰り返して、僕はとうとう諦めてベッドから起き上がった。保健室の先生に教室に戻りますと伝えようとすると、僕が何か言う前に先生は「体調はどう?死にそう?」と訪ねてきた。先生は冗談で死にそうかと尋ねたが、僕は重病か何かが見つかったのかと思いびくついた。なんでもないですとぶっきらぼうに言い残して僕は足早に教室へと戻った。ちなみに僕は金縛りになることもある。しかし、今回のそれは金縛りの感覚ともまた別のものであった。そして、あのときの感覚がちょうど昨日再びやってきた。僕はいつも通りに眠ろうとした。しかし、眠れなかった。また意識が押しつぶされる感覚を感じた。脳が機能停止していく感覚がわかった。もちろん、無意識の脳は眠っても働き続ける。しかし、どうにも僕には意識を失うことと"死"というものを切り離して考えることができなかった。僕はまた無理矢理に脳を起こした。そして、再び普通の眠りを願って目を閉じた。しかし、なんどやってもまた睡眠と現実の狭間にたどり着いた。気づいたら朝だったのでそのまま大学へ向かった。一睡もできなかった僕は、大学の微分方程式の授業中に僕は居眠りをした。大学の教室では普通に寝られるなんて不思議だ。しばらく船を漕いで目覚めると、友人に「お前はいつでもどこでも寝れていいな」と言われた。よく言ってくれるよ。まったく。