気持ちを書くブログ

写真撮影、コンピュータが好きです。あと本とゲーム。落語も好き。おしゃべりも好き。

スケート

氷の削れる音がプレハブに反響する。ふうと吐いた息が白い。僕は今、スケートリンクにいる。長野で育った僕は、小さい頃からスケートをしている。長野と言えばスキーやスノーボードだと戯言を言う輩もいるが、あんなものは重力の力を借りてなだらかに落下しているだけだ。それならバンジージャンプやスカイダイビングのほうがよほど真っ直ぐで清々しい。その点、スケートは自分の力で蹴り出して加速するのだ。自立して誠に素晴らしい。その感動を味合わない人がいるのが勿体のないほどにスケートというものは愉快なものだと僕は思う。初めて自転車に乗れた瞬間を覚えているだろうか。歩くのや走るのよりも、早く移動できる手段を手に入れた時のあの興奮を覚えているだろか。スケートはそれを上回る。スケートは陸上で走るのよりも早く動け、そして自転車よりも縦横無尽である。360度、自由自在に加速できるこの素晴らしさを何と表現したら良いだろうか。水を得た魚、野に放たれた犬、または大空に飛び立った鷹のように、氷の上を自由自在に駆け巡ったら、君は氷の上を降りるのを躊躇するだろう。だが、安心してほしい。再び氷の上に立った時、また僕らは翼を手に入れられる。さて、もう一周僕は駆けてくるよ。